人間ってのは見たく無いものがそこにある時それを見てないように脳が処理し防衛する。
それを上手く表現するようにサウルの顔が6割〜7割の画面を占め、死体らしきモノはボヤけて写すと言う手法を取っている。
さらに死体処理等以外の所ではちゃんと他の物にピントが合うようになっている。
今回の作品ではあまり知られていない「ゾンダーコマンド」つまりユダヤ人にして収容所の死体処理、または虐殺の手伝いをする部隊がメインなのだが、無表情でもくもくと作業する。あの顔…
その中で息子らしき子供を人間の尊厳を保つためユダヤ式に弔おうとする。
あの地獄で人間性を失わない様に奮闘する。
息の詰まる場面の連続で死体の匂いと殺伐とした雰囲気が観ているコッチにも漂ってきている様な感じ。
1番見てられなかったのは
ガス室に閉じ込め悲鳴や扉を叩く音が鳴り響きながらも扉を抑えるゾンダーコマンドのシーン。
恐ろしすぎ。
野火にも通じる様な見た後の放心状態。
野火とかサウルの息子とかこう言う作品はもっと注目されて後世に残すべきだと思う。