地獄でメタルでマザファッカー!
若くして死ぬ…。
親より先に逝くなんて親不孝者じゃないか!この映画は死や地獄を否定しないのか!ふんぎふんぎ!…と親目線で観てしまって鼻息荒くなる映画ではなく。“アタマを空っぽ”にして楽しむ映画でした。
と脳味噌に空隙がある自分に言われたくないでしょうけど。うん。でも、その言葉どおりの映画でしたからね。仕方がありませんよね。そもそも、地獄の造形からしてコント臭漂うクオリティでしたしね。また、物語も深く沁みる部分を味わうものではなく。勢いよく突っ走るために先の展開が読めない脚本を楽しむタイプでした。
また、重低音響く音楽もポイントですね。
有名ミュージシャンも参加していて…ってメイクやら背景やらに紛れてしまい、全てを把握するのは難しいのですけど(名前は知っているけど顔は知らない、なんてこともありますし)。それでも、自分の好きな人を見つけられれば口角が上がるというもの。僕のど真ん中はROLLYさんでした。
そして、エンドクレジットで。
主題歌の作曲者がKYONOさんと解った瞬間。
血が滾りましたねえ。THE MAD CAPSALE MARKETSのインディーズアルバムは特に聴き込みましたからねえ。未だに『ギチ』とか『ギラギラ』は、ふとしたときに口ずさみますし。『Dear歩行者天国の皆様』は心に沁みる名曲だと思います。♪狂っているのは僕の方か、社会か~。
まあ、そんなわけで、全てが壮大なバカ話。
重低音を身体で受け止めながら、歪むギターサウンドで「マザファッカー!」と叫んで、勢いよく消費して楽しかった!
…で、終わりでも勿論良いのですが。
視点を変えれば、思考の柔軟性が問われている作品でもありますよ。完全に“アタマを空っぽ”にして楽しめるのか。それとも、何かが引っ掛かってしまうのか。本作の感想で透けて見えるのですな。
ちなみに僕は後者でした。
地獄はともかく、“死”は否定してもらいたかった、というのが正直なところ。やっぱり、自分に子供が居ると笑い飛ばせない部分もありますよ。そういう映画じゃないことは重々承知でもね。