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母の残像のleylaのレビュー・感想・評価

母の残像(2015年製作の映画)
3.9
ラース・フォン・トリアー監督を叔父に持つヨアヒム・トリアー監督作品。

著名な戦場カメラマンの母が交通事故でなくなって3年、家族の心の葛藤と再生を描いたドラマ。

使命感のある仕事を持つ母親と、母の不在を長く強いられた家族。お互いを気遣って遠慮するあまりに、ギスギスとした関係になっていた…

近くにいても家族の気持ちは互いにわからない。人間の心はなんて難解なことか。

みんなが苦しんでいるけれど、特に次男の再生が一番のテーマだと思う。高校生の次男は、母の死の真相を知った時、どう受け止めるのか。

次男は母に甘えられずに育ったせいか、人とのコミュニケーション能力が乏しく、何かしでかしそうな危険なムードを醸し出している。人を寄せ付けない目が印象的でした。
思いを寄せる女の子といて、彼が泣いてしまうシーンがある。生きることへの希望が見えた美しいシーンだった。

それぞれの繊細な心情が、過去と今を行き来しながらも、流れるようにまとまっていて、まるでミステリーのように最後まで惹きつけられました。

母役のユペールのをはじめ、キャスティングがよかった。

暗い描写なので好みは分かれる作品だと思いますが、トリアー叔父さんのように過激で胸糞な鬱描写はありません。笑

同じ女性戦場カメラマンを描いた『おやすみなさいを言いたくて』を思い出しましたが、あちらも良作。



✴︎のんchanありがとう✴︎
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