ラース・フォン・トリアー監督を叔父に持つヨアヒム・トリアー監督作品。
著名な戦場カメラマンの母が交通事故でなくなって3年、家族の心の葛藤と再生を描いたドラマ。
使命感のある仕事を持つ母親と、母の不在を長く強いられた家族。お互いを気遣って遠慮するあまりに、ギスギスとした関係になっていた…
近くにいても家族の気持ちは互いにわからない。人間の心はなんて難解なことか。
みんなが苦しんでいるけれど、特に次男の再生が一番のテーマだと思う。高校生の次男は、母の死の真相を知った時、どう受け止めるのか。
次男は母に甘えられずに育ったせいか、人とのコミュニケーション能力が乏しく、何かしでかしそうな危険なムードを醸し出している。人を寄せ付けない目が印象的でした。
思いを寄せる女の子といて、彼が泣いてしまうシーンがある。生きることへの希望が見えた美しいシーンだった。
それぞれの繊細な心情が、過去と今を行き来しながらも、流れるようにまとまっていて、まるでミステリーのように最後まで惹きつけられました。
母役のユペールのをはじめ、キャスティングがよかった。
暗い描写なので好みは分かれる作品だと思いますが、トリアー叔父さんのように過激で胸糞な鬱描写はありません。笑
同じ女性戦場カメラマンを描いた『おやすみなさいを言いたくて』を思い出しましたが、あちらも良作。
✴︎のんchanありがとう✴︎