このレビューはネタバレを含みます
すずさんと、彼女を呼びたくなる映画。
終わった瞬間、声が出なかった。
どうしようもない世界で、それでもその世界の片隅で生きるということ。
それは、悲惨という乾燥した言葉で描くべきものではないということを教えてくれた。
絵を描くための大事な右手。
人とつなぐための大事な右手。
誰かを慰めるための大事な右手。
それを失ったすずさん。
それでも、世界は続くのであり生き続けるということ。
選んで生きているということ。
それは悲しみだけではないという、人生の妙がこの映画にはある。
何かを失ってなお私たちは生きていくしかないのだ。