見て良かったです。
何度も涙腺にチクチクとジワジワと。
何が来るかって、徹底して微細な幸せそうな日常描写。戦時中の話にそれは卑怯よ。
能年玲奈がすげえなあ。なんでござんしょあの切なくて暖かみのある声は。演技は。天才としか言えない。この役するためにあの声を持って生まれてきただろ。
しかしながら当然、和むと同時に戦時中という背景が澱んで迫って来る。
「よかった」のシーンはもう筆舌に尽くしがたい。
ただ幸せな描写は単に悲劇の前菜で終わらない。そこが評価を押し上げるポイントなのでは。
終盤のあのシーン、あれ?逆だったの?ってほんの一瞬だけ考えてしまう。悲劇的な世界をそのまま最悪の悲劇で終わらせる妄想がチラつく。その上でそれを今後の希望の誕生として描くエンド。完璧だと思います。
これでやっとシン・聲の片隅の名は。コンプリートです。