海老川

花束みたいな恋をしたの海老川のレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8
映画のまち調布の民なのでシアタス調布で鑑賞しました。
5ヶ月ぶりにレビューを書く意欲が、良くも悪くもわいてくる作品だった。

京王電鉄が「花束みたいな恋をしよう企画」なるものを打ち出しているんだが、中盤まではもう、なんでこんなカップルに憧れなきゃならんのだと辟易してて全然花束みたいな恋したくならねえじゃんオラオラって感じだった。

カップル以外でも、あのさあ、「 "俺マイナーな映画見るよ" って言いながらショーシャンクの空にを挙げる人間」なんてものはこの世に存在しねえんだ。2人と対比させるためだけにステレオタイプですらない、こんな架空の人物つくらないでくれよ。

これに端を発して2人の痛い描写は本当に見事。趣味嗜好がダメなんじゃなくて客観的に思考が幼いというところで。趣味嗜好の部分は、人によって共感のタイプが異なってそうなのも面白いすね、自分と重ねてキュンキュンしちゃうのも良し羞恥にまみれるも良し。

終盤で一気にさらにおもしれ〜〜ってなっちゃった。恋愛映画経験が少ないからかもしれないが、こんな腑に落ちる終わらせ方初めて見た。全肯定しないからこそこれまでのヘイトも全部みるみるプラスに変わっていってファミレスの場面は終始ゾワゾワきてしまった。これ最適解じゃないですか??

私は恋愛ムリ勢なので、こういう花束みたいな出会いをしても最初の居酒屋でムスっとしちゃうとこでムリってなっちゃう。花束みたいな恋をしたくなる人間になりたい。
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