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この世界の片隅にのhzkのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.0
戦争そのものがテーマというより、
戦争の中で日常を送る平凡な市民のお話。
ほわんとした色合いの映像と、これまたほわん、としたすずさんが可愛らしくて、その普通さに泣けて仕方なかった。
これから起こる出来事を知ってるから、冒頭の広島の風景の美しさが悲しい。
地元でもなんでもないのに、懐かしい感じがしたのが不思議だった。
映画の中で空襲のシーンはたくさん観たことがあったけど、こんなに胸が苦しくなったのは初めてだった。
絵を描く、髪の毛を梳かす、紅を塗る。
そんな当たり前の日常や権利を奪う戦争って、なんて残酷で愚かなんだろう。
一般市民のささやかな生活まで奪う権利は誰にもないのに。
悲しくてやりきれない、この歌がこんなにピッタリな作品は他にあるかな。
最後、街に明かりがポツポツと灯るシーンが悲しいだけじゃなく希望を抱ける。
生きていこうと思える映画だった。
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