gurikomonaka

湯を沸かすほどの熱い愛のgurikomonakaのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.2
不幸の輪廻からの脱出

前評判通りのとても良い作品だったが、おそらく本作品を気に入らない層もそこそこに存在するのではないかと思う
それどころか、もっと賛否両論になっても良い気がする
というのもこの作品、ヒューマンドラマと片付けるには少々度が過ぎる描写が散りばめられているのだ
例えばCMにもあるシーンだが娘が虐めにあったときの対応や、中盤の大学生くんとの会話、それに加えてあのラストシーン(これについてはある意味ではサイコチックな何かも感じられたw)

本作品が大規模なロードショーではなかったため、ある程度視聴層が限られていたからこそのこの平均評価なのかもしれないが、おそらく全国規模のロードショーだったらこの辺の描写によって感情論で酷評をしてしまう人がもっと多いのではないかと感じる

ただし自分は、そこを含めてこその良さを十分に感じることができたため良作だったと胸を張って言うことができる
おそらくこの作品のサブテーマは、「身内との不和は、親から子に受け継がれる」ということなのだろう(このテーマを示すためには上記のシーンが全て必要ということにも脚本の上手さを感じる)
そのテーマを受け入れた上で、自分が死にゆく中で家族を不幸の輪廻から抜け出させるにはあの程度のスパルタさが要求されるのは当然のことだよなぁとただ納得する他なかった

不幸からの脱出に必要なものこそ、湯をわかす程の熱い愛なのだ
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