gurikomonaka

ミッドサマー ディレクターズカット版のgurikomonakaのレビュー・感想・評価

3.6
縛られた共同体と冷たい自由、どっちがいい?

ようやくコロナ自粛明けで映画館で映画を見られる事ができて嬉しさいっぱいの中選んだ一本(なぜこれ選んだかは謎w)
ディレクターズ版を最初に見るってことをめったにしなかったので新鮮だった(ブレードランナー以来かも?)
そもそも最近ディレクターズ版ってめったに見ない気がする
ディレクターがシーンを選んだからといってもバランス的に絶対に良いとは言えないものも多いんだろうなぁ

肝心な本編は、どこが追加されているのかは知らないが、やっぱこれすごい・・・
常時心がざわつく描写しかない
通常編では見られなかったモザイクも無事解除されているとともに、ディレクターズカット版でよく有る間延び感もそこまで感じなかったので最初に見るのはこっちでもいいのかも?

そんでもってお話とキャラ構成も絶妙に皮肉が入っている。
共同体より自由を重んじる現代社会に浸りきり、ある意味その環境のせいで家族を破滅させられた主人公と友人らが現代社会とは対極にある環境で結局悲惨な運命を辿ってしまうという設定ね・・・
ちょっと思ったんだが、主人公の妹のような人がホルガにいったとしたら、むしろ喜ぶんじゃないかな?
一見この映画は共同体カルトの怖さを外側から見つめるという構造を持っていながら、その物語の序盤ではこれ以上内までの現代社会のある意味の「冷たさ、ドライさ」を描ききっているようにも見える(クリスティアンもそんな感じだし)。
主人公の妹という存在は、そのドライな社会構造の被害者として欠かせない存在のような気がする。
まぁ結局こういうコミュニティの方針というは極振りすると良いことないわけで、塩梅が大事だよね・・・
中道こそが正義なんじゃないかと変に納得してしまったw

あとどうでもいいけど、海外の映画でダメな大学院生ってほとんど見たことない気がするので新鮮だったw
やっぱり海外にもそういう人はいるんだなと安心するw
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