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湯を沸かすほどの熱い愛のamuのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
1.5
映画好きが選ぶ泣ける映画ナンバーワンみたいな、絶対観るべき映画等々賞賛されまくりの今作。そんなにも一般受けする作品なんだと手を出したんですが、夜中に観るもんじゃなかった。予備知識ゼロだったため、田舎の銭湯の経営ってけっこーむずいよ?みたいな話かと思って(ジャケのキャッチに思いっきり内容書いてあるのにそれすら見ていなかった笑)なので、アーチェリーの矢が後頭部にぶっ刺さる系痛い目みました。

ストーリーは、寝る前に気軽に観るつもりだった私にはちょっと重く、またラストはホラー感否めず。

とはいえ、ちゃんと最後まで観れたのは、どんでん返しでもあるのかと期待してしまったのと(良くも悪くも続きが気になった)、杉咲花ちゃんの演技力、そして是枝作品ばりの子役ちゃんたちの良さ。杉咲花ちゃん昔、ドラマでオダジョーの娘役やってたけど、あの頃はぎゃーぴー騒ぐだけだった彼女も、この若さで場数踏んでちょー上手くなったんですね。終始愛おしいアズミだった。素晴らしかったです。

やっぱりテーマが重くても惹かれる作品というのは役者にかかっている。それと長回しを効果的に使えているか否か。そういう意味では脇の役者や子役が良かったし、杉咲花ちゃんが何より良かったので、作品としては良い作品と言えると思うけれど、好みかどうかでいうと、好みでは無かった。笑

その理由は、そこはかとなく漂う取って付けたような演出にある気がした。これ原作あるんですかね。わからないんですが、なにせ田舎の銭湯経営むずい話だと思っていたため、銭湯に対する「湯を沸かすほどの熱い愛」だと思ってしまっていたのが実際は別の意味で、それを効果的かつタイトルに使うためだけに存在したかのようなところが、まぁ勘違いした私が悪いんですけど、つまるところ銭湯はアイテムに過ぎなかったんかいという残念さがあった。しかも怖いし。

そういう「これを言いたい」のための伏線に全ての事柄が感じられたので、取って付けたような演出、と思ってしまったわけなんですが。伏線回収は悪いことじゃ全然ないし、むしろ物語の起承転結として普通のことなのに、取って付けた!と感じちゃうということは、どこか不自然だったのかなと。

下着のくだり、いじめのくだり、夫蒸発のくだり、子供連れの探偵、ヒッチハイカーとの出会い、そして銭湯。すべての言葉のあたまに「謎に」と付けて読みたいストーリーアイテムたち。

あとそうですね、すごいとは思うけど、あんまり宮沢りえに入れない。オダジョーとなんか似合っていないから不自然。ぺらいけど松坂桃李いなかったら締まらなかった絵面。まだまだ言いたいことはあるが、このくらいにしておきます。笑
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