sayo

湯を沸かすほどの熱い愛のsayoのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
3.2
鮎子がどんどん生き生きと家族になっていく様がよかった。話の節々で伏線回収があっておもしろかった。

学校でいじめにあっているときに、"逃げるな立ち向かえ"って母親に言われるとどうしたら良いかわからなくなるなと思った。明らかにいじめられていて、学校に行きたくないと言っているのに、逃げるなって言うことが愛…?ともやもやした。

あの年代、優しければ優しいほど親に言われたことは叶えてあげたくなってしまうものではないのか。どういう気持ちで安澄が登校したかはわからないけど、下着姿にまでなる描写があって、正直娘をここまで追い詰める?行動させてしまうって何…と思った。これがよしとされるのか、と俯瞰していた。

亡くなってしまったから全てが美談になってるけど、双葉という母親の愛は自分に酔ってるというか、自分が体現すべきこれが愛なのよ!という押し付けというか、愛と言えばなんでも許される感?ちょっと自分の倫理観とは合わないなと感じた。でも私は子を産んだこともないし、家庭を持つと考えはかわるのかな。

最後の方、三段ピラミッドのシーンと双葉が話すこともできなくなってるところで安澄が泣くのを堪えて(双葉を心配させまいと思ったのかな)涙を流しながら話すシーンは嗚咽しながら泣いた。宮沢りえさん、弱っていく人間の演技が上手くてすごいなぁとそういう視点で見ていた。
sayo

sayo