マグナム渡辺

シャザム!のマグナム渡辺のネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

シャザムを観てヒーロー映画の変質を認めざるを得ないと思った。

従来のヒーロー映画は、大人になってから子供の頃思い描いたヒーローになってみて力をコントロールすることの難しさだとか、実生活との両立を描くものが多かったように思う。そこにはひょっとするとある種の選民思想もあったかもしれない。

シャザムは違う。
子供が子供のままでヒーローになる。
ヒーローになることの悩みもなく、強大なパワーを振るえる。
劇中明らかに感じるテーマは
「誰だってヒーローになれる」

この変化はきっと将来振り返って功罪両面生み出すことになるだろう。
ヒーローの在り方について進化を促す一方ヒーローの陳腐化が加速するはずだ。

この映画は多分惜しい映画だと思う。
「誰だってヒーローになれる」のは素晴らしいメッセージだと思う。
でも、その先が見たかった。

『ヒーローになれずひねくれたヴィラン』を自覚なきエリート軍団(シャザム軍団)が「誰だってヒーローになれるさ!」と言いながら打倒する姿は「選ばれた一部の者だけがヒーローたりうる」よりも悲しかった。そういう意味ではもっとヴィランに頑張って欲しかった。

今回は自分の狭量さからこの映画を好きにはなれなかったが、素晴らしい要素は沢山ある。
鑑賞後に好きだった人にも嫌いだった人にも、「何故この映画が好きなのか、何故この映画が嫌いなのか」をじっくり考えて欲しいと思うような作品だった。
マグナム渡辺

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