チャン・ヌアンシン監督作品！

中国映画の展開〜三十年代から第五世代まで〜⑥

傑作‼️(^^)

文化大革命期・毛沢東主導の政策で青少年や知識人を田舎の農村地帯へと向かわせる「下放」＝上山下郷運動を背景に作られている。

雲南省の山奥ジャングル地帯の様な僻地へ下放されてきた17歳の少女李純は少数民族のタイ族の村へとやって来た。
90過ぎの老婆と2人で暮らす親父と生活する事になり村の若者達との交流が始まる。

圧倒的な熱帯雨林地方のロケーションの素晴らしさ！
特に霧深くスコールの様な雨や太陽の眩しさ、見たこともない樹木やタイ族の民族衣装も印象的。

めっちゃオシャレなタイ族の乙女達が鏡🪞に見惚れるシーンは微笑ましい(^^)

心優しい老婆の眼差し、村人との温かい交流、しだいに自分らしさとを取り戻し隣村に住む下放して来た青年との淡い恋も芽生えて…

後半からの悲しい事件からラストのショットの驚きにやられる…

ヒロインの李鳳緒の美しさと
原作のタイトル「ある美しき地方」はあまりにも皮肉に心に響く…

良か映画！

• #福岡市総合図書館シネラ

【詳述は、『セインツ~約束の果て~』欄で】30数年前文芸坐かなんかで観て、画質いまいちだったので、DCP化原版接近を期待も、よくはなってなかった。しかし、清々しく好きな作品には変わりない。纏り悪く、優れてるとはいえずも、ストレートで瑞々しいものが伝わってくる。

チャン・ヌアンシン監督作品。
文化大革命期の中国。上山下郷運動により雲南省に下放された漢民族の少女は、タイ族の人々と熱帯雨林に囲まれた生活を送り・・・という話。

撮影がとにかく美しい。ドキュメンタリータッチが中心。朝靄に包まれた龍樹、雨季の田植え、夜の熱帯雨林。水辺、火が綺麗に撮れていた。

90歳を越える生きた化石みたいな婆さん、障害者のおじさん等心暖まる登場人物が多かった。特に婆さんが主人公を可愛げに思っているのが伝わって良かった。
泊まらせてもらう家の兄さんが弾丸ジャッキーのオラキオに似ていたり、鏡屋の呼びかけをする男が次長課長の河本に似ていて笑った。
鏡で自身の姿を見るだけで金を取るというアコギな商売をしていたけど、鏡に映る自身の姿を少女達が嬉しそうに見ているのが良かった。

女性が監督しているのが伝わってくるような映画だった。地方での生活を撮りながらも、ちゃんと青春していた。「帰り送っていくから乗ってけよ」と誘われるのが牛車。牛車デートがいい感じ。カメラのショットも良かった。

地域性、民族性が伝わってくるのと、地方で生活していても文化大革命の暗い影が感じられるのが良かった。