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カン・フューリーのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

カン・フューリー(2015年製作の映画)
5.0
好きなものを好きなように組み合わせて動かすに当たって、その障害となるのはリアリティや物語的整合性などといった概念的な基準というよりも、むしろ根本的にはこの世界の物理法則が立ちはだかっていたのだ。泣けるほどにラディカル。あらゆる最高な要素が「オレの考えた物理法則」によって躍動する素晴らしい作品!!

「芸術とは、目に見えるものを再現するのではなくて、目に見えないものを見えるようにする事だ」とはパウル・クレーの言葉だけど、自分も含めたバカどもがかつて何となく頭に思い描いていたようなバカな事を、こうして本当に「目に見えるように」してしまうバカがいるんだから「生きてるっていいなあ」と思える。夢中になれる物事を前にしたら、我々は既存の物理法則からも自由なのである。

従って、超スーパーハカーがE=MC^3という人智を超えた関係式を導き出すのも至極必然の結果なのである。
Urban DictionaryのE=MC^3に関する記事には、「もしE=MC^3が実際に相対性理論なのであったなら、一体何が起きるのかは誰にも分からないであろうが、恐らくは物凄い爆発か、もしくは何らかの悲劇的な結果を引き起こすであろう」とある。
本作においても確かに爆発が、喜びと笑いの爆発が発生していたのであって、「爆発」とはその辺のリア充の物ではなく、このような作品の物であると僕は信じて止みません。Thank you for the explosion!!!!
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