「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に あはむとぞ思ふ」
(崇徳院「百人一首」)
「結び」へと向けた助走。
恐らく初めから続編ありきで製作されたのだと思う。
「上の句」の完成度からすると、一段落ちると言わざるをえない。
しかし今作ではライバルのクイーン（松岡茉優）が登場し、弛緩した物語を引き締める。
松岡茉優の凛とした表情は、広瀬すずの愛嬌のある表情と対照的で、圧倒的な存在感を醸し出していた（それにしても松岡茉優は京言葉とパーマがよく似合う）。
広瀬すずと松岡茉優はタイプは違うが、どちらも天才だと思う。
そしてその差異は、作中の千早とクイーンのイメージと重なる。
前者が天真爛漫で無邪気さを振り撒くのに対し、後者は理性的で落ち着き払った態度を取る（しかしダディベアに反応したり、スノー丸が好きな意外な一面に萌える）。
物語は序盤でチームの崩壊を描き、かるたをする意味を問うことで、再びチームとしての結束を固める過程を描く。
内省的な内容なので、前作のようなカタルシスはない。
