生きるとは何か、について…このストーリーを作った人の意思、主張が表に出ている映画だと感じた。「自分で選択をできない人生に意味はない」とか、「憎しみ、いがみあい、争い続けることだけが人間ではない。人間の望みは家族と幸せな時間を過ごしたいとか、平和に暮らしたいとかそういう穏やかなことだ。支配しようとするのではなく、協力し合うことができたら未来は変わるはずだ」と。
これらの発言は、価値観の異なる人種同士がマウント取り合うのではなく、共存の道を模索するべきではないか…ということを示唆しているのかなぁ、と。要するに相手は謎の有機体となっているが、価値観の異なる人間を有機体として置き換えているんじゃなかろうか。
舞台は宇宙の遠い星で、転送装置やデータ汚染などの設定がありはするものの、ご都合主義的な設定であり、まぁ、あまりその部分を強調したいわけでもないのかな?とと感じた。人間の醜さを表現するというよりかは、人間を諭すような、哲学的な意味合いの濃い映画だった。