黄推しバナナ

ブラック・エンジェルズの黄推しバナナのレビュー・感想・評価

ブラック・エンジェルズ(2011年製作の映画)
2.0
監督 :
内田英治
原作 :
平松伸二
脚本 :
勝冶京子
アクション監督 :
川澄朋章
出演者 :
落合モトキ
矢島舞美(℃-ute)
佐藤二朗
榊英雄

法で裁けない社会の外道、悪人を処刑する!
漫画版必殺仕事人!
原作者 : 平松伸二の漫画を実写化!
原作の第1部をモチーフにした内容!
でも原作無視です…
骨格というプロットだけもらっちゃいました…

原作全20巻を読破。
1980年代を代表する少年ジャンプの漫画で大好きだった漫画。実写化され飛びついて見たけど…

再レビューのため再鑑賞

当時見た感想は一言で言うと「寒い」…
大風邪をひくぐらい「寒い」…

演出の見せ方はもう頭1つ出るものが欲しかった…もう1つカッコよさ…もう1つ手間を掛けるカット割りが欲しかったなぁ…

今作を監督した内田英治監督は、

異動辞令は音楽隊!(2022年)
ミッドナイトスワン(2020年)
全裸監督(2019年)

があるが今作の頃はまだまだな実力だった10年くらい苦労して開花したてところか…

あと問題があった点は、
❶2011年に対応していない無理のある物語(ファンタジー)とベタでバタ臭い台詞の脚本…これには修正をしなかった内田英治監督の責任もある…
3年前の2008年には漫画でもリアルな世界観を追求したクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」があるので、やはり時代にあってないのが分かる…
❷出演者の抜擢
落合モトキ(雪藤洋士)
佐藤二朗(堺善三)

雪藤洋士は原作では低姿勢ではあるが、今作見たくベタなくらいオドオドしていない…目立たない行動をモットーに社会的外道を排除するキャラなので、事件現場では落合モトキには、静かに闘志を燃やす役の演技指導が必要だったし…スポーク(武器)での惨殺シーンは、刺す前にカット割りしてカット後に死んだ姿を映すのではなく、R15指定にして、スポークはCG処理で“生々しく体をスローに貫通”していき外道は“地獄の形相”を見せる演出にするべきだった…そこに原作と同じエモーショナルを感じる…そう思いませんか内田英治監督…原作読んだことないんだなぁてなりますよ…

堺善三は原作では出ていないキャラですね…※「ザ・松田 ブラックエンジェルズ」(2010年)第8話には同名キャラが出てきましたが設定が違う…
なら尚更、佐藤二朗の演技の特性を活かして目の奥が笑っていないコメディアンサイコパスのキャラにしてしまえば不気味でよかったのに…

なんでこうなった?


何が寒いのか?って…

漫画→ファンタジー=ある程度現実味がなくても読み手は頭の中で改変できる。
実写化→リアル=現実味がある。即ち視覚で見ている現実が映像として脳が記憶しているため今作のような社会派調の作品には違和感が出る…

今作の問題点

❶被害者から報酬を貰わない…
「バイク便」だけで生活費を稼いでいる→夜は外道を暗殺→生活大丈夫なの?てなる…
⚠原作ではいろいろなバイトで生活費を稼いだり、知り合いになった女性の家で居候になったりと生活は大丈夫。

【映画版改正案として】
九州から始まり北海道まで日本列島を旅する東京までの道のりをロードバイクで走る。生活もその日暮らし。いろいろなバイトで食いつなぐ生活。旅の最中いろいろな事件現場に遭遇。全ての事件は東京での人体臓器闇ブローカー犯罪組織に繋がる…

❷東京だけでの「バイク便」で行く先ざきで殺人事件に出逢う…都内だけでそんなに事件発生するか…百歩譲って発生したとして現場に遭遇するか…かなり都合が良い設定に思える…疫病神だろお前てなる…お前がいるから事件が発生するんだろてなる…
⚠原作は偶然、殺人現場や事件現場にふらっと遭遇する。テレビニュースを見る。

【映画版改正案として】
雪藤洋士は、幼児期についた胸の十字架の傷が原因で熱く痛み出すと人の過去をフラッシュバックで読み取ることができる。神の啓示の力により事件の真相を解明し外道を社会から排除する。

❸今作80分しかないのに内容を詰め込みすぎ…雪藤洋士だけに絞ればよかったものの、どうしてもヒロインが欲しかったのか…麗羅(矢島舞美(℃-ute)のキャラをいれてしまったために、キャラ掘りも物語も空中分解してしまった…

【映画版改正案として】
雪藤洋士が一人孤独に戦うダークヒーローにしてキャラの深堀をはかり、また被害者のドラマパートを増やし、雪藤洋士による処刑パートは静かに隠密に処刑していく。派手なアクションパートは必要ない。

❹二転三転の物語の展開は必要なのか…ラスボスを処刑したが、実は真のラスボスは私でした演出いるのか…
⚠原作の展開は直球ストレート勝負。

【映画版改正案として】
要らない余分な物語のカットで余った時間はキャラの深堀や、被害者のドラマパートに回す。

❺心理描写の演出で緊迫感、緊張感を出すため手持ちの撮影カメラで取ったため、画面が手ブレて若干酔う…引きのワンフレーズの映像に演者と台詞を突っ込む感じが多々あるのと、顔のアップ映像に頼りすぎて置かれている状況が分かりづらい感がある…

【映画版改正案として】
例えば、引きのワンフレーズで数人を捉えつつ台詞が入るとカット割り→台詞を話している演者顔のアップ映像→また引きのワンフレーズで数人を捉えつつ台詞が入ると→台詞を話している演者顔のアップ映像(カメラ角度を変える)を入れる方法を取る。
V シネマ臭い演出やB級以下の作品に、引きのワンフレーズの映像に演者と台詞を突っ込む問題と顔のアップ映像に頼りすぎ問題があるが、何かできない理由があるのか?
映画関係者でないので理由が分からん…

予算が少ないからカメラ位置を変えられない?カメラの引きアップ、角度の数パターンの撮影ができない?

時間がないからカメラ位置を変えられない?カメラの引きアップ、角度の数パターンの撮影ができない?

そもそもそういう考えに行き着かない?監督の演出不足?力量不足?

どうなの?
教えておじいさん〜♪
教えてアル厶のもみの木よ〜
yo le lo le lo hi ho〜♫
yo hi du di ya ho ho〜
yo le lo le lo hi ho ya〜♬
la hi du di yo〜

冗談は横において…

欲しい作品なんですよ…
もう少しの改善で良くなると思うんですよ…
素人でも分かるんですよ…
プロなんだからそこんとこ気を付けないと…


外道は少しずつ嬲り殺さないと…
そういう演出がほしいんですよ…
フラストレーションが溜まる作品を、
見てるこっちが……


……………………


「地獄に落ちる!」


……………………


①鑑賞年齢30代
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

黄推しバナナ