MikiMickle

COP CAR コップ・カーのMikiMickleのレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
3.0
ただっ広い荒野を探索する少年二人。
年の頃、10歳ほど。
お互いの男気を見せあい…みたいなプチ探検。
そこで見つけた一台のパトカー。
最初はそれにおどおどして、タッチできるかなんて、無邪気にはしゃぐ二人。
そして、遂にそのパトカーを運転して盗んでしまう。
しかし、そのパトカーの持ち主である警察官は、実は悪徳警官であり……

追う悪警官。追われる悪子供。
そして、車のトランクにあったものは‼
というサスペンスもの。

男の子二人のパートでは、冒険ものや、少年特有の可愛らしくもえげつなさを感じる絡みや友情や見栄と怯えやらを感じ、かつ、無鉄砲な子供の恐ろしさもあります。『スタンドバイミー』のような雰囲気もあるのは、彼らの家庭環境(母子家庭や祖母に育てられている)も関係しているのかもしれません。

悪徳警官(鼻穴ケビン・ベーコンさん)パートでは、更にえげつないクソっぷりを楽しめます(笑)
そして、トランク見られたらかなりやばいベーコンさん‼そりゃもう、大慌てです‼(笑) 試行錯誤して、あちゃふちゃ‼‼あれやこれやの手をうちます‼ 相手が子供だとわかると余裕見せるけど、でも…(笑)
この、ベーコンさんのあちゃふちゃぶりを楽しむ映画でもありますね、多分(笑) なんというか、とても人間臭いんです。
その悪徳警官っぷりは見事です。リアルというか…ケビン・ベーコンがそれを演じているというところがまた渋くて、荒廃した荒れ地が、その渋さを際立てます。

そして、緊張感がずっと続きます‼
子供vs悪徳警官vsある奴の三つ巴シーンも見物ですし♪

低予算ながら、負のスパイラルを描いた、ナイスなB級アクションサスペンスです♪
ベーコンさんはB級が似合うっ‼
ラストは、心にトゲが刺さったような余韻を残します……

そして思うのは、一度間違った方に進んでしまうと、後戻りが出来ないということ…

荒れた荒野。出てくる登場人物は一人を除いて全員男だけれど、そこには本来のアメリカが目指していたはずの男性像や父親像は全く見られません。これは、アメリカの現状を表しているかのように思えます。
確固たるアメリカの理想の父親像というものが完全に崩壊しており、それは、離婚率の顕著さももちろん関係しており、(そもそも根底にある父親像すら、“侵略”というアメリカの歴史に深く関わっているからそれが正義とは言えないが)、そういったものを考えました。
MikiMickle

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