ブタブタ

COP CAR コップ・カーのブタブタのレビュー・感想・評価

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)
4.5
「ベーコンが悪役映画に外れなし」と言われる程(?)ボンクラ映画好きにとっては今、最も信頼出来る男ケヴィン・ベーコン。

【多少ネタバレ含みます。ご了承くださいm(_ _)m】

開巻、画面に映るのは太文字のメラメラと燃え上がる様な ★【KevinBacon】☆の堂々たる名。
「いよベーコン屋!」とかけ声を掛けたくなるくらい俄然テンションがあがります。
荒野を行く二人の少年。
「ちんこ」「ま〇こ」「うんこ」「ケツの穴」この会話から二人がこの導入部だけで自分の小学生時代を思い出す様な明らかに馬鹿ガキだとはっきり分かります。

他の方もレビューで仰ってますが今は無きテレビ東京の午後のロードショー、又は木曜洋画劇場で見たい作品です。

麻薬の売人1人を殺して1人をパトカーのトランクに詰め込み麻薬と金を奪った(おそらく)悪徳保安官ミッチ(俺達のベーコンさん)の完璧な(?)計画がガキ二人によって脆くも崩れさる。

悪ガキ二人組・保安官・トランクの中の男・通報おばさん、登場人物はほぼこれだけ。
とにかく余計な場面がなく、台詞も最小限。
ガキがパトカー発見→乗り逃げ。
保安官が死体を埋める→パトカーが無い。
おばさんがガキ運転のパトカーを目撃→通報。
この前振りで特に説明などなくこれだけでクライマックス迄一気に話しは進みます。

この4者(ガキ2人は一個でカウント)が一同が介するクライマックスと全てが崩壊に向う結末まで本当に編集の妙と言いますか、無駄がなく、登場人物達も方向性は間違っていても行動にブレや迷いが無いので見てるコチラもストレスを感じません。
奪われたパトカーを取り返す、トランクの男の復讐(?)巻き添えを食らうおばさん、そして原因のガキ二人、四者四様の思惑が絡み合うサスペンスと、保安官とガキが撃たれてからが本番と言わんばかりの夕暮れから夜に時間が経過すると共に一気にホラーテイストに。
ガキ共は死んだと思っていた保安官がまるでゾンビかターミネーターの様に追ってくる最後の対決に至る恐怖のデスロードまで時間も90分弱で見事に収まってます。

ジョン・ワッツ監督作品は本作しか見てないのですが、台詞は必要最小限、妙に凝った映像などの装飾は一切排し「映画の面白さ」を突き詰めるクリエイターなのか、新『スパイダーマン』の監督に大抜擢されたのも頷ける才能ある方だと思いますのでスパイダーマンも楽しみです。
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