ちんこ…
チンコ…
おっぱい…
オッパイ…
二人の少年がただただ広がる平原で思い付く限りの下品な言葉を呟きながら歩く。
空虚なムードが漂う序盤のシーンだけで十分面白い。
悪戯心でパトカーを盗んだ少年達。
ヤバい秘密が隠されたそのパトカーを追う保安官(ケヴィン・ベーコン)。
なんだろう…。
思った展開と違う。
キレた保安官に執拗に追われる展開を期待していたけど、なかなかそうはならない。
思った映画とは違ったけど、この映画の持つ奇妙な感じは嫌いじゃない。何だかへんてこな映画だ。
ああ、この映画は余白を楽しむ映画だ。
プロットは至ってシンプル。
余分な説明もないし、保安官が何をしてアレを隠す事になったのかは観客が自由に想像出来る余白が与えられている。
この映画は余白を説明で埋めようとはしない。それでも何の不満も出てこない。
むしろその余白が心地良い。
この物語に意味はあるのだろうか?
いや、そんなにない。
パトカーを盗まれ、平原をひた走る保安官。
車を盗む為に窓の隙間から靴紐を垂らし、鍵を開けようと奮闘する保安官。
なんてシュール!!
ケヴィン・ベーコンがヤバい保安官を怪演。
ゾクゾクする恐怖感を持つキャラクターだからこそ、シュールな画が笑いを誘う。
二人の少年が魅力的なのも、この映画の余白を楽しめる理由の一つ。
ただ、頼むから銃口を覗き込むのはやめてくれ。
一番怖いシーンがそこって…。
けつ…
ケツ…
けつの穴…
ケツの穴…
Fuck…
……それは言えない
…やっぱりこの映画、シュールだな。