souma

ザ・サークルのsoumaのレビュー・感想・評価

ザ・サークル(2017年製作の映画)
3.7
“Secrets are Lies.”

終わり方に難ありだけど
僕は面白かったな。

24時間生配信する「SeeChange」が
物語の根幹かと思いきや
「SeeChange」はあくまで前振りでしかなく
本質は「透明化」だったね。

これまでも多くの映画が
この「透明化」のネットによる管理社会問題を描いてきたけど
多くの作品が
政府や企業による恣意的なものがほとんどであったのに対して
本作は個人個人の自発的思想によって
自ら監視されることを選択しているという点が非常に面白い。

いまでいうところのGoogle様が
うちのプラットフォームの登録率は
全国民の80%を超えていて
登録を国民に義務化しましょう。という考え方は
よっぽど今配られている
「マイナンバーカード」とかいう
まったく無駄でゴミで税金の無駄遣いな
使いどころのないプラットフォームを一から作るよりも
よっぽど合理的な考え方だと思うし
「マイナンバーカード」というシステムを
間接的に痛烈に批判しており
同時に個人レベルで
プライバシーとプラットフォームの在り方を考える
きっかけとなるいい作品だった。

インターネットやSNSを
「要は、使い方次第」という簡単な言葉でまとめてもいいけど
時代の奔流に抗うことは想像よりもよっぽど難しいし
それを実践することは簡単なことじゃない。
世界が一度滅びない限り
SNSのない社会には絶対に戻らないでしょう。


問題はラストかな。
作品としてどんでん返しのラストを作るには
そうするしかなかったのもわかるんだけど
あれだけ「透明化」「完全化」の問題を中心で体験しながらも
最後にそれを肯定するメイの決断は
完全にサイコパスにしか思えないし
誰も共感できないよな。
souma

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