キートンにしては大人しめの作品だったけど、それでもしっかり視覚的な面白さがあったのは流石。
この映画は大まかに前半と後半に分けられるが、自分が気に入ったのは特に前半で、上下に揺れる列車とか大列車追跡の前身とも言える面白さが見て取れて愉快だった。
そして仇敵との心理戦が始まって演出が控えめになる後半でも、時にキートン特有のダイナミズムが発揮されていて、中でもダム決壊のシーンはこれまた大列車追跡のクライマックスに通じる派手さがあり魂消た。
終盤には他の作品みたく下手したら演者が死ぬ描写も出てくるけど、相変わらずのヤバさに見てるこっちが震えてくる。
人間含めた動物に愛嬌が感じられたのも良くて、とりわけキートンの飼い犬は全編通して立ち振る舞いが可愛らしくて堪らない。