俺、ここ最近の"現代的な演出をした時代劇映画"って、傑作ばかりだなぁと好感を持っていました。
実際、"13人の刺客"、"超高速!参勤交代"、"駆込み女と駆出し男"、全て良かったので、きっと今作も良い出来では?と少し油断していました。
中村監督であることが、更に俺を油断をさせましたが…残念ながら、この映画は出来が悪かったです…。
全部がダメって訳じゃないし、静かにじんわり心に染み込むような、中村監督独特の良さは、今回も所々で健在です。
だけど、色々とっ散らかってしまっていてまとまりが無く、創り手の純粋な意志が感じられなかったです。
また、俳優さん達の演技についても、リアリティラインがバラバラで揃っていなく、特に寺脇さんが演じ始めると、1人だけあまりに大仰でマンガっぽく、明らかにノイズになっていてイライラしました。
これは、作品世界を統一させられなかった監督に、センスか実力が無いってことになるかなぁ…。
更にキャスト面だと、何でフィギュアスケートの羽生くん出しちゃったのかな⁉︎ このシークエンスだけでも、十分過ぎるほど作品が台無しになっていました…最悪しゃべらせるべきでは無かったと思います。
史実に基づいている、というのを盾にしたいのかもしれないけど、もの凄く展開のテンポが悪いのにも、グッタリしましたね。
史実を最優先で守らなきゃならない作品じゃないでしょう?
教科書じゃないんだから、娯楽であることを基本にして、より良い映画にするにはどうしたら良いかを最優先して欲しかったです。
中村監督、本気で真剣に作ってくれましたか?そもそも、本当に作りたかった作品ですか?
なーんか、中途半端な気持ちで作っている気がするんだよなぁ。
それが、すごく嫌だった。