ノラネコの呑んで観るシネマ

或る終焉のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

或る終焉(2015年製作の映画)
4.4
在宅ターミナルケア専門の看護師を描く、ハードな人間ドラマ。
息子を病気で失い、家族とも疎遠になった主人公は、ある意味生きている様で死んでいる。
彼は死を目前にした患者たちに寄り添い、家族よりも緊密な関係を作り上げ、空っぽの自分をギリギリの生に繋ぎ止めているのだ。
原題の「chronic」は「慢性的」と訳せるが、主人公は常に死に引かれている。
そして、ある末期癌患者の“依頼”によって、彼のルーティンは遂に崩れてしまうのである。
ミシェル・フランコ監督、「父の秘密」に続いてかなりの鬱映画だが、見応えは十分。
ラストの解釈は色々出来そう。

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