だらしなく砂糖をむさぼりたい、邪魔な衣服は脱ぎ捨てたい、激しく身体を重ね合わせたい、という生身の女性の姿と欲望を映画は曝け出す。暴力的なまでに。
大まかに分けると映画は三つのパートで構成されており、第一部では何日も部屋に閉じこもって過ごす一人の女性(シャンタル・アケルマン自身)をひたすらフィックスによる長回しでとらえる。家具を塗ってはまた塗り戻し、結局捨ててしまいどんどん殺風景になっていく部屋。唯一残ったマットレスを色んな場所に動かし、裸で寝そべり砂糖を貪りつつ何度も手紙を書いては並べる。虚しさを紛らすように、あるいは何かの訪れを待つように彼女はただひたすら繰り返す。
彼女が突如動き出してから映画が始まると言っても過言ではないのだろうが、この内省的でミニマルな第一部に特に引き込まれた。