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哀れなるものたちのらのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7
さまざまな要素(ヴィクトリア朝時代やスチームパンクなど)をミックスして作り込まれた独創的なビジュアルとは裏腹に、内容自体は分かりやすく開かれている。すくなくともランティモスの過去作と比較すると。特に主人公が旅に出て以降は、古典的な冒険・成長譚のように「『経験』して『成長』していく」姿が明快に描かれている。哲学的問いやフェミニズム的なメッセージがやや内容に先行している印象もあるが、寓話としてはとても面白いし、最大の関心事が性的な部分にあるのもユニークだ。エマ・ストーンを筆頭に、マーク・ラファロやウィレム・デフォーなど役者陣の演技も素晴らしかった。
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