ふみ

シン・エヴァンゲリオン劇場版のふみのレビュー・感想・評価

4.2
個人的好みとしては旧劇が最高峰だなと思うけど、これはこれで本当に良い作品そして良い完結だった。これまではシンジくんに全共感で見ていたんだけど、ゲンドウがどうしたって好きだなあとわかるなあと。
あんなに怖くて憎んでいた、幼い自分を支配していた親が子供のままなんだと気がついた時。実は自分と同じ、いやそれ以上の弱さを持っていると気がついた時。親も同じように人間で、同じように歪んだ愛の被害者だと知った時。親と自分がもし同級生として出会えていたら何か話を聞いてあげられたんじゃないかと、親に愛と自由に溢れた人生を生きてほしいと感じた時。
だからこそこれからも、支配され道具のように扱われた一傷は一生消えないし憎み続ける。無性の愛を求め続けるし与え続けてしまうのだろうと絶望した時。そうして支配に基づく親子関係から脱し、一人の人間として初めて対峙した時。
大人になったとは、その時だったんだろうか、それとも大人になれたから気付けたんだろうか。
多分大人になっても一生その弱さや傷は消えないんだけれど、その度に一つ一つ乗り越えていければいいと思えた。

さよならはまた会うためのおまじない
ふみ

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