爆裂BOX

グースバンプス モンスターと秘密の書の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.8
R・L・スタイン原作のアメリカで人気で長く続いている児童向けホラー小説を基にしたジュブナイルホラーコメディです。日本でもソニー・マガジンズと岩崎書店で邦訳出ましたが、極一部にとどまってて両社で邦訳が共通してる所もあるんですよね。テレビドラマシリーズも制作されてて昔NHKで「ミステリー・グースバンプス」のタイトルで放送されててホラー要素も高くてガキの頃は夕方から楽しんでみてましたが、DVDにはなってないんですよねぇ…
原作はホラー・アンソロジーでそれぞれ独立した話なので、映画ではR・L・スタイン本人が登場して魔法のタイプライターで書いた彼の小説から原作に登場するモンスター達が飛び出してきて田舎町で暴れまわるというストーリーになっています。その騒動をディラン・ミネット演じる田舎町に越してきた少年ザックとスタインの娘ハンナと臆病者でお喋りなチャンプの三人がスタインと共に止めようとするという展開です。
とにかく王道なジュブナイル物という感じで過激なゴア描写とかはないけど、安心して最後まで楽しめる作りになっていますね。モンスター達が小説から飛び出してきて始まるワチャワチャ感も楽しかったです。
スタインを演じるジャック・ブラックは普段と比べると抑え気味の演技ではあるけどハマってました。最初の方のサイコオヤジな感じも良かったですね。臆病者のチャンプとのやり取りは特に面白かった気がします。墓場でゾンビの群れに襲われて、門で挟まったスタインが「俺を置いて逃げろ!」「分かったよ!健闘祈るよ!」「おい!言ってみただけだ!待て!」の所はかなりツボったな。
登場するモンスター達も雪男から狼男、ミイラ男やゾンビ、宇宙人にピエロに大カマキリとモンスター大集合という感じで、そんな彼らがダンスパーティーが開かれてる学校に集合してくるクライマックスは楽しかったですね。小っちゃいけど凶暴なノームたちは可愛かったですね。ここでの「ガリバー旅行記」のパロディシーンもニヤリとしますし、ノームがスタインの顔に飛びついてフライパンでぶん殴ってスタインが結構な倒れ方するシーン一番面白かったかも(笑)最後に出てくる巨大スライムは「モンスターブラッド」なんだろうけど、原作では緑色だったけど今作ではピンクっぽかったのは劇中でも言及されてた「絶対の危機」オマージュかな?
モンスター達のリーダー格で騒ぎを拡大させる腹話術人形スラッピーのキャラもいい味出してました。スタインの暗黒面の体現みたいな役割も。
ヒロインのハンナも可愛くて、その正体とラストの展開も切なくて良かったですね。最後解決の一手打ったの彼女でしたね(笑)現状から踏み出せずにいた一歩を踏み出す勇気をそれぞれで持つ展開もベタながら良かったですね。父親のエピソードもっと描いてたらもっとぐっと来たかもな。
チャンプが憧れてる女の子の危機救ってキスするなど青春ドラマとしての要所も抑えている所も良かった。この女の子ハルストン・セイジだったんだな。
ラストもハッピーエンドで終わるのも爽やかでジュブナイル青春物としてよかった。二次元と恋愛するってラノベみたいだけど(笑)ここで現尺者のスタインもカメオ出演してますね。ラストアイツだけ残ったのか(笑)
過激な描写ないのでホラー的には物足りないけど、王道ジュブナイル青春物としては全編通して楽しめる良作だと思います。これの上映を機に原作再販されるかと思ったのにな…