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私はゴーストのkanacoのレビュー・感想・評価

私はゴースト(2012年製作の映画)
3.6
主人公である幽霊が自分の死の原因や成仏できない真相を探っていく新感覚の幽霊視点ホラー。怖さは控えめだが、低予算なるもアート的なオシャレ演出、ヨーロッパ的な室内の雰囲気、ループ現象を主軸としたミステリー風の物語運び、ラストのホラー演出の加速などの工夫が見られ総体的には好みな作品😆✨(140文字)

****以下ネタバレあり注意!&乱雑文です****

◆あらすじ◆
エミリーは幽霊。郊外の一軒家で、自分が死んだこと・死んだ理由も忘れ、成仏しないまま同じ日を繰り返している。ある日突然、シルヴィアと名乗る女が声のみでエミリーに接触する。霊媒師であるシルヴィアの言葉に従い「私はゴースト」と繰り返すとエミリーは次第に記憶を取り戻し、自分が殺されたことに気が付く。そして引き続き、その事件の謎、なぜ自分は成仏ができないのかなど、真相を突き止めようとするが…。

❶幽霊視点で物語が進む、トリッキーさが新鮮

画面に映る人物は“ほぼ”主人公の幽霊エミリーだけ。幽霊側の視点で物語が進んで行くのは、映画では珍しいパターンのような気がする。物語の構成として、エミリーや現状を説明する序盤と、探索を行う中盤はループが続くため、同じようなシーンが続く。後半…むしろ終盤で一気に話が加速して伏線回収し収束へ向かうタイプ。恐怖演出もそこに集中している。

なので、変わったホラーが見たい方、ミステリー感覚で予測したり考察したりしながら見る人や、スプラッターやジャンプスケアなど驚かされるのが苦手な人、静かな”雰囲気系映画”を好む人向きかも。逆に、お化け屋敷映画や、派手・スプラッターな演出、テンポがよくコンスタントに緩急や恐怖の高低差みたいなものが発生するホラーを好む人は苦手かもしれない。怖さはかなり「ゆるめ」だと思う。

なお、終盤の「それ」が降りてきたとき、事前にちゃんと説明されていたのに「お前誰だーーーーーー😱💢!!!」となった😂エミリーもポカンとしていたけど私もポカンとしていた(笑)

❷低予算の工夫とアート的映像が◎

低予算でも安心な室内限定ループ系であるし、登場人物も少ない。できることが限られている中で、演出の工夫や脚本で形にしているのが好感度高い。また、時折差し込まれる映像がちょっとザラついた画質だったり、アートっぽかったりとオシャレさもあった。

エミリーが住んでいる家も可愛いかった。ヨーロッパなインテリアがセットされ、ホラーなのに全体的に暖色で統一されている。素敵な内装だった。またエミリー自身も、一見あまりホラーヒロインぽくない容姿なのだが、見ているうちに可愛く見えてきた。エミリー、お化粧が全然崩れないな…幽霊になったらお化粧って崩れないのかな…死んだ時のお化粧が固定されるんだろうか…???

❸ホラーゲームのような感覚があった

本作は、家のワンシチュエーションホラーであり、主人公の視点で毎日がループし、探索する。そのため、PS4で一時期無料配信されていた、小島秀夫監督・小島プロダクションが制作の一人称視点ループ系ホラーゲーム『P.T.』を思い出した。そのうち『P.T.』に限らずホラーゲームでは何度か親しんだ構成パターンかなぁと思い直した。ループとは違うもクリック系のホラーフラッシュゲームもある意味類似した形態だし。そのため、個人的には、ホラーゲームの映画を見ているような感覚の作品だった。

💕🐝「映画としては新感覚だったかも。正直、最初はあんまり面白くないかも…と思いつつ、最後まで見たらけっこう好みな作品だと気がつきました。中盤までのとっつきにくさはありましたが、ホラーの味変には良い線いっているようなタイプかなぁ、と思います。是非ラストまで見て欲しいです。それはそれとして、エミリーちゃんに崩れないお化粧の仕方を教えて欲しい…😆💄✨」
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