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MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間のsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
ドン・チードル製作・脚本・監督・主演のスーパーワンマン体制で作り上げられた、壮大なワナビー映画として超面白かった!

2017年映画初めはJAZZ映画。
この年末年始、なぜだかJAZZ映画多すぎ。
食指をそそられるも何故だか公開期間が短すぎて
チェット・ベイカーのもジャコ・パスのも見逃した。残念。


勝手邦題のサブタイトルから、あの空白期間について
新しい史実が明らかになって、それを映画化したのかと思ったら
全然そういうことでなくて、ええと……なんていうか……
ほぼ全部事実を基にしたフィクションか、フィクション。
ジャズ・ジャイアントってより、ギャングスターの映画で、
マイルスなのに乗っけからドンパチ銃ぶっ放したり、
カーチェイスギュンギュンしててアホアホ面白い。

回想シーンのエピソードにしても、
ちょっとのホントにファンタジーを大盛りにしてて
盛りの良さがいっそ清々しいくらいで面白かった。
フランシスと離婚したのはホントだけど、すぐまた別の人と結婚してるし。
マイルス役のドン・チードルを筆頭に、若い頃のビル・エバンスもハービー・ハンコックもウエイン・ショーターも誰一人顔が似てねえ!
その辺りの大らかさも一周してケラケラ楽しむが吉。

最後の最後にマイルスに成り切ったドン・チードルが
マイルス門下生の御大二人を従えるライブシーンがいい!
どう見てもドン・チードルの方が若く、あれを80年ごろのライブ映像として見てると二人ともヨボヨボすぎて色々おかしいし、
今現在のライブとして見るなら、一人モロ吹き真似の人が真ん中で堂々としてて、見ててどういう気持ちになっていいか分からなくて楽しかった。

劇伴が超カッコイイ!
たぶん全部マイルス自身の音源を使ってるんだろうけど、
過去の音源だけで、これだけロマンスからカーチェイスまで幅広くカバーできちゃうあたり、どんだけ多作で多面的な人だったか伺える。
音楽を担当したロバート・グラスパーの選曲の妙。
EDの「Gone2015」が劇伴てよりRobert Glasper Experimentの新曲みたいでカッコイイ。


2017の劇場鑑賞、1本目
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