【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.33】
《生きることにした。人の命とひきかえに。》
”深夜食堂〟の小林薫主演で描く、死刑囚を収容する拘置所の刑務官たちの物語。DVD所有で再鑑賞。
「死刑執行の際、死刑囚の支え役を務めれば一週間の休暇を与える」
ベテラン刑務官・平井（小林薫）は連れ子がいるシングルマザーと結婚直前で、懐かない連れ子と打ち解けたいと考えていた。新しい家族との時間をつくるため、誰もやりたがらない死刑執行の支え役を志願するという究極の決断をするが…
たかが〈休暇〉のために、人の命を奪う行為に加担するのか？
生と死の間で揺れ動くひとりの人間が、やがてたどり着く場所とは？
拘置所の所長役に本物の元刑務官が出演してることもあり、死刑執行への流れがリアルで胸を締め付ける…
死刑囚・金田を演じる西島秀俊が死刑執行当日の動揺や怯え、そして最後の覚悟を迫真の演技で伝えてくる。
平井の同僚刑務官を演じる大杉漣の味のある存在感がこの作品をより深みのあるものに。
死刑制度という深くて重いテーマを観る者に突きつけてくる重厚な人間ドラマ。
死刑執行の裏にある刑務官の苦悩と葛藤を描いた秀作です。
