みんと

裸の幼年時代のみんとのレビュー・感想・評価

裸の幼年時代(1968年製作の映画)
4.0
『愛の記念に』のモーリス・ピアラ監督の初長編作。
フランソワ・トリュフォーがプロデューサーで参加のせいか『大人は判ってくれない』にも通じる、ひたすらヒリヒリが止まらない作品だった。

母親に捨てられ里子に出された問題ばかり起こす少年と、彼を受け入れようとする里親を描く。主演の少年も含めプロの俳優ではない人々を起用し作り上げられただけあって、そのリアリズムが、作品にとんでもない没入感を生み出していた。

序盤の猫の虐待シーンで一旦心が折れたけど、冒頭すり込まれた時代背景とか、そうならざるを得なかった少年の心に寄り添うと、やはり母性の部分で寛大にも。

10歳、傷ついた心が再生するには幼すぎる。周囲の大人たちだって余裕のない状況ならば尚更。
愛に飢えた少年の心の叫びが聞こえるかのようだった。

里親夫婦とおばあちゃんの厳しくも寛大な愛が、きっと少年を立ち直らせるに違いない。いや、そうであって欲しい。


少年の名前がフランソワと言うのは意味がありそう。
みんと

みんと