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ドント・ブリーズのkazukiのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.4
ホラーやサスペンスの面白さは、観客が、襲われる側と襲う側の視点を行き来する事だと思う。(例えば殺人犯がバレそうな時に思わず「あっ..危ない! 」って思ってしまう。捕まった方が良いのに。)

そして『ドントブリーズ』はそのバランスが丁度良いと思う。

若者視点で、なんとしても糞爺から金を奪って人生をやり直す! とも思えるし, 叔父さん目線で、
「このクソガキ共は生かしておけん、舐めやがって」とも思う。現実を考えると従軍で障害を負った老人は搾取される事の方が多そうなので、叔父さん寄りに考えてしまう所もあるが、それを加味しても丁度五分五分ぐらいの描かれ方だったかなぁと。

また、超常現象や派手な設定(殺人鬼はコスチューム着てるとか)がなくミニマルなホラーというのも珍しいので新鮮だった。

ツッコミ所もあるっちゃあって、
最後のニュースで何故あの母親の事は言わない? とか、臭いに関して クローゼットで凄い近くにいて気付かなかったのに、遠くにある靴の臭いには気付くの? とか、いくらなんでもさっき殴ってたのに刺す位置そんなに間違える? などなど。

後、これは個人的な好みなのですが最後にタイトルが出るのではなく、最初の方で、叔父さんが盲目でも鋭い聴覚や嗅覚を持った只者でない奴だと示すシーンと共に出してくれた方が良かったなぁと。叔父さんが負けたエンディングで『ドントブリーズ』とデカデカ出ても 「は、はぁ.. 」というリアクションしか出来ない。
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