ミサホ

提報者 ES細胞捏造事件のミサホのレビュー・感想・評価

提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)
4.0
おもしろかった。

タイトルの“提報者”とは
韓国語で内部告発者のことなんだそう。

2005年に韓国で実際に起こった論文捏造事件。日本でもあったよね、似たような事件が。背景がよく似ている。

その道の権威であるイ教授(イ・ギョンヨン)がES細胞なるものの作製を成功させ、脚光を浴びた。

一気に知名度を上げ、国民の期待と尊敬を一身に受ける。韓国人初のノーベル賞受賞も現実的に。

ところがこのES細胞に関する論文が捏造されたものだという疑惑が…

“真実を報道する”という信念のもと、その証拠を追いかけ、暴くのが、パク・ヘイル演じるテレビ局のプロデューサー。

そして、その疑惑のカギを握っているイ教授の元助手の存在。この元助手を演じているユ・ヨンソク…かわいいな。パク・ヘイルと雰囲気が似ている。

見た目草食男子2人が、権力に抗い、嘘や捏造を許さないッ!とがんばるのだ。もちろん諦めかけた時もあったし、国民の約97%はイ教授の味方の中、がんばるのだ!

イ教授もね、周りの期待が大きすぎて、捏造に手を染めてしまった…って言ってたけど、結局は注目を浴びたいとか権威をモノにしたいという欲望の結果に過ぎないんです。

人って偉業とやらに沸き立つけれど、それも一時的なもので、次第に収束してって、その興味は次の違うモノに移行していく。

批判、称賛、幸せ、悲しみ、怒り…よっぽどのことがない限り、その通常から逸した感情ってのは続かないものだ。

人の嘘を暴くというのも、考えるとしんどいよね。そういう意味で、みんなが心穏やかになるといいな。



38/2025
ミサホ

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