かじドゥンドゥン

マーシュランドのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

マーシュランド(2014年製作の映画)
3.2
1980年、10代の姉妹が行方不明に。マドリードから配属された刑事ペドロは、ベテランのフアンと組み、捜査に当たる。憲兵の情報によると、姉妹は尻軽で有名で、かねてから街の外に出たがっていたという。姉妹の父は厳格で、母がこっそり、娘の部屋にあったという写真のネガを刑事に渡す。そこには、裸の姉妹と、男の姿が映っている。やがて、乳首を切り取られ、左手を焼かれ、足の指を切断され、レイプの痕跡もある、姉妹の惨殺したいが発見される。地元の男カストロが訴えるところによれば、これまでも、自殺で処理されたが、少女の不可解な死があったという。フアンは血尿を出し、服薬しながらも、ペドロの前では何食わぬ顔で、必死の捜査を続ける。地元の女性達と広い交友関係がある美青年キニが重要参考人として浮上。彼を尾行した結果、湿地帯にある狩猟宿が、なにかよからぬことに使われていた様子。警察上部からは、地元労働者も神経質になっているので、早く、なおかつ民主的な方法で事件を解決するよう、発破がかかるが、他方で、憲兵から捜査に圧力がかかっている気配もある。地元の少女マリナの証言により、キニに誘い出されて狩猟宿で事を終えると、拘束され、そこに見知らぬ男がやって来て、虐げられ、写真を撮られて脅される、ということがあったと判明。さらに、ホテルの従業員で、姿を消したセバスチャンという男が、児童性愛癖の持ち主と判明。ペドロは、記者のミゲルに捜査情報をリークする代わりに、写真の解析などを依頼。そのやりとりのなかでミゲルは、フアンがかつて、フランコ政権の秘密警察に属しており、デモに参加した少女を射殺したと教える。たしかにフアンの捜査・尋問の仕方は前時代的な手法で、暴力的。ペドロはフアンに対して警戒せざるを得ない。最終的には、工場経営者のコラレスや、セバスチャン、そしてキニが関与した事件だと判明し、事件解決。(コラレスがセバスチャンを殺害し、コラレスをフアンがナイフでめった刺しにシテ殺した。キニは逮捕、連行。)ペドロの功績が認められ、彼は身籠った妻の暮らすマドリードへ戻れることになる。そのことを心から祝福するフアン。ペドロは、デモで少女を射殺したのが彼の相棒であり、しかも事故だったというフアンの話を信じることにするが、しかしミゲルがあらためて、フランコ政権時代のフアンの写真を入手してペドロにだけ差し出し、一人で100人以上を拷問して「カラス」とあだ名されたフアンの黒い過去を裏付ける。ペドロはしばらく考え込んだ後、その写真を破り捨てる。ちなみに、裸の姉妹の写真に写り込んでいた撮影者自身の顔は、結局のところ判明はしなかった。