きえ

すれ違いのダイアリーズのきえのレビュー・感想・評価

すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)
4.0
『会った事のない誰かと恋に落ちる事は可能なのだろうか?』LINE、Facebook、Twitter、その他あらゆるSNSを介して簡単に人と繋がる事が出来る現代だからこそのテーマだろうか。別々の場所で同時に繋がる事が出来るデジタルツールは孤独を遠ざけ、本当の意味での”想いを募らせる”と言う機会を奪ってるのかもしれない。

そんなデジタル時代の発想から生まれたストーリーは、水上学校と言う特別な環境がもたらす”孤独”を介して超アナログツールで繋がって行く。映画を観ながら懐かしい感情が湧くのは、時差のある感じだったり手書きから感じられる人の温もりだったり… そう、まさにこれは古き良き時代の日本にあったペンフレンド文化に通ずるからかな?? (笑)

もしも今、デジタルが全く通じない場所に居なくてはならない状況になったら、例えば机に書かれた落書きにすら愛おしさを感じてしまうのかもしれない。
それどころか同じ立場で同じように悩んだ異性の”日記”があったとしたら… 私もソーン先生と同じように共感がいつしか恋慕に変わってしまうかもと思う。

時を隔ててすれ違う男女と言うのは『君の名は。』もそうだったけど、恋を募らせる鉄板シチュエーションだったりする。分かっちゃいるけど鉄板料理は美味しいwww

タイ映画は多分初めて観たんじゃないかと思うけど、タイの市民生活や若者文化を正確に知らない私にはその辺りの描かれ方も興味津々だった。思ったより遥かに現代してたwww 映画の作りも音楽もしっかりしてて美男美女の俳優陣もとてもいい。そして演技を超えた自然体の子供達にはやっぱり勝てない(これは万国共通)。

恋愛映画の要素の中に教師の成長物語を含める事で、教えるって本来どう言う事なのか、学ぶってどう言う事なのか…忘れかけてた大切なものの原点をスクリーンから受け取ったような気がする。観終わった後に感じた清々しさの要因はそこにあるんだと思う。

最後に、冒頭の問いに私は『YES』と答える。文字から得られる共感共鳴がやがて大切な繋がりになる事もあるだろうと思うから。たかが文字されど文字。人柄は文字に出ると思う。特に日記ならね(笑)

追記。ソーン先生は香取慎吾と三浦貴大を足したような顔だったけど、後半はもう香取慎吾さんにしか見えなくなり、エーン先生も最後の方は柴咲コウさんにしか見えなくなり、打ち消すのが大変だった(笑)

でもでも素敵な映画でした❤️
きえ

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