ぢん子

永い言い訳のぢん子のレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
5.0
一度観たことがあって、意味が分からなかった作品。
再鑑賞の理由は、すばらしき世界。あの作品がなかったら、再鑑賞しなかったです。なので、とても感謝しております。
 
大人ってなかなか子どもの時のような素直さが出せなくなったり、弱さや隠したいこと、それぞれが持つ羞恥心、生きる意味や痛みに狡さに、愛情表現に、と、その人それぞれの体験や記憶からくる諸々を感じました。

そして、子ども。
彼らは彼らで、親のこと考えて好きなことを我慢したり、逆に飛び付いたり、学校という小さな社会で親が想像してない色んな体験をしています。友だちや親に言えないこともあれば、本当に好きなこととか。

出てくる俳優さん、主に四人。
モッくん(本木雅弘)、竹原ピストルさん、子役のおふたり。
台詞だとは思えない演技が、胃にきました。数時間経ってもまだ痛いです。
カメラも近いし、画質はザラッとしてるし、ザ・ノンフィクション?と本物のドキュメンタリー観てる感じでした。

幸夫くん(モッくん)が、ラスト付近まで、とんでもなく気持ち悪く映りました。
人としても、男性としても。
ベラベラベラベラ口は回って、自分のことは口撃で防御し、見ようとしない。見る努力もしない。
妻の夏子さんのこと、「あの人」って呼んだり、ふたりのときも疎ましいような雰囲気出したり(理由があるんですけども、それもまた…)
子どもみたいに愛情に飢えている不器用人間だったのんだ、と勝手に解釈しました。そうであってほしいという願いです。
気持ち悪いって思うくらい、人間の汚い部分、ずる賢い部分、不器用過ぎる部分、丸ごと幸夫くんだったので、モッくんが怖かったです。

子役のおふたりに竹原ピストルさんも凄かった。
特に、しんちゃん(お兄ちゃん)
撮影期間、どれくらいだったんだろう。
薄ら、鼻の下に髭みたいのが見えて、ウッと胸に来ました。
多感な時期に知的好奇心を与えてくれる幸夫くんが父親より近くに居てくれたら、そりゃもう。

竹原さん省く、幸夫くん、しんちゃん、あかりちゃんの三人だけ、時間が止まったかのように、髪が伸び放題なのも観て辛かった。

原作は、幸夫くんと夏子さん夫婦のことが、描かれてるらしいけど、映画の見方、幸夫くんの見方が変わるかな?
怖いもの見たさで読みたくもあるけど、映画で観たあと、文章で想像するなんて怖すぎる。でも…と揺れています。

なんだか万引き家族みたいなシーンがありました。(観てますがレビューなし。さっき気付きました)

パンチが強い西川監督。
ありがとう、すばらしき世界。
また、観られて本当に良かったです。
というか、前観た私は、脳みそ寝てたのか?
点数はあとで修正するかもです。
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