めたわに

13時間 ベンガジの秘密の兵士のめたわにのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ヘリが出て来ない「ブラック・ホーク・ダウン」的な映画。ただこちらの主役となる兵士らは、レンジャーでもデルタでもなく民間軍事会社でしかもたった6人…

アメリカにとって、うるさかったカダフィ大佐は思惑通り反カダフィ派に殺害されたのだが…武器も流出リビアの混乱はかえって深まる。そこへイスラム教を冒涜する動画「イノセンス・オブ・ムスリム」が、過激なキリスト教徒によってアップされ、イスラム諸国は大激怒→ここが本作のスタート地点!

主人公ジャックは民間軍事会社の傭兵としてベンガジのCIAの秘密拠点アネックスへ。よせばいいのに、リビア・アメリカ大使が到着→大使館襲撃!→助けに行くぞ!→大使死亡今度は矛先がアネックスへ→ジャック含めた兵士は6人のみ!

圧倒的無勢で敵に囲まれる。武器も弾薬も限られておりこちらは少数、だが精鋭…このムネアツ設定は興奮せざるを得ないが、問題はこれが実話ベースということ。現実なら絶望でしか無い。ここに、地元の協力勢力(逃げる、裏切る)の頼りなさと、誰が味方で誰が敵かもはっきりしない情勢も加わる。
遠隔地から応援がなかなかたどり着かないこともあり、かなりの緊迫感。結果、仲間6人のうち2名を失う。

壮絶!カッコイイ!はあくまでもアメリカバンザイ映画主義。カダフィ後のリビアの混乱、敵からしたらこちらが敵という当たり前の構図も考慮しないと、正しい世界観で物事を見ることは出来ません。

ヘリが落ちない「ブラック・ホーク・ダウン」と言うべきか。
国の思惑で行われる軍事行動。でも実際殺し合うのは敵味方どちらも家族や愛する者がいる生身の人間。悲しみしかない。
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