kirito

ディストラクション・ベイビーズのkiritoのレビュー・感想・評価

3.1
【井の中の蛙大海を知らず】

なんだこの映画w
ただの暴力映画との噂は聞いていたが、本当にそれだけだった、笑う。

町の強そうなやつにひたすら喧嘩をうる兄ちゃんと、その兄ちゃんを探す弟、兄ちゃんに憧れる町の高校生の物語。


暴力は連鎖する。
この劇中では主人公の暴力シーンをみて、次々と自らも暴力を振るう者がでてくる。
(女性を殴るのは本当にいただけない。というかあいつは女性しか殴ってないからなおタチが悪い。)

では、視聴者はこの暴力シーンをみて何を感じるか。
残念ながら自分は何も感じなかった。
監督なりに何かをきっと伝えたかったのだと思うが、私には響かなかった。

あえて無駄な設定を省き、シンプルにしたのだろうけども、物語の起伏がない。
そして、感情移入できる人物がいない。

が、ストリートファイトの部分などカット割をして絵的にかっこよくみせるというわけではなく、あくまで泥臭い殴り合いを一貫してみせたことには好感がもてた。
殴り合いとはこういうものだ。


あと、出演者の演技力は素晴らしかった。
とりあえず主演の柳楽優弥は無言で殴るシーンのみ。
この人自体天才子役として騒がれたあと、悩みに悩み自殺未遂に至るほど苦労した人だが、それゆえの演技なのだろう。
最近の邦画ではほぼ見かける菅田将暉の小物感ある男の演技も素晴らしかったし、小松菜奈のビッチ感ある女も良かった。


最近の邦画はタイトルクレジット?の出し方にこだわりが見られる。
本作は一番最後に出るが、悪くない。


destructionとは破壊を意味する。
ある意味では現代の邦画を破壊する作品とも言えそうだ。

2017.2.20
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