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ディストラクション・ベイビーズのchiyoのレビュー・感想・評価

2.5
ボコボコにするところから始まるから、いつになったらストーリーが展開するのだろうと思っていたら最後までボコボコにする映画だった。

柳楽優弥がかなりイケメンになっていた。でも役柄的にはひたすらボコボコにする役だった。心情とか色々展開されるのかと思ってたけど真相はよくわからないままだった…喧嘩のシーンは素人目だけど、人を殴り慣れてない演技な感じがした。

北原裕也(菅田将暉)と那奈(小松菜奈)が、泰良(柳楽優弥)に出会うことで狂気に堕ちていくって感じのストーリー。
泰良の弟とか、色々気になるところが野放しだったのもちょっと不満。

裕也と那奈に関しても、人間は簡単に日常から非日常、狂気に堕ちるっていうのを表しているのだと思うけど、もう少しその差が欲しかった。那奈に関してなんて、あんな目にあって更に極限状態であった事を考えると、猟奇的な行動に出てもおかしくはないと思う。
事件後に周囲の同情を得ている那奈の描写があるけど、視聴者には那奈が狡猾で嫌な人間に見せたかったのだろうか?

裕也のキャラクターも掘り下げられてなかったせいか、ただの幼稚なイカれ野郎に。暴れ者の仲間の中でいつも行動に移せなかった人間が、泰良を味方にして自分だってなんでも出来ると思い込む。自分だって強いと言いながら、女子供老人だけを狙っているところあたりが汚なすぎる。狂気に堕ちていく人間の様を表現したかったのなら、もっとその落差が欲しかった。

向井秀徳が音楽担当してるのいいですね。場面転換と呼べるかはわからないけど、合間合間にギターの歪んだ音が入ってくるのカッコ良かったです。曲もいい!
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