にょこ

ヒトラーの忘れもののにょこのネタバレレビュー・内容・結末

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

重たく悲しく、けど、観て良かったと思える映画でした。

つくづく、戦争というものは起きた後まで負の遺産を産み続けるものだと思った。
大概、戦争というのは突き詰めれば大人の利権争いで、死と隣り合わせの後始末を子供にさせるなんて、言語道断なわけですが、これが本当の話なのだからびっくりする。

ドイツとデンマークの合作。これが本当に救いです。どちら側のプロパガンダでもない。

軍曹の心中は台詞で語られるよりも、演出によるものが多かったのも良かった。

仮にエベだったら、食中毒で吐き続ける中、作業をさせ、死んでしまったらまた別の兵を呼ぶんじゃないだろうか。中盤での虐待シーンがそう思わせる。

情が出ただけで、休日を作り、一緒に遊んだり、隣に座るだろうか。
仲間を失い続け、陰で泣いている子にお前は強いと、国へ帰れるんだと励ますだろうか。
野暮な考察かもしれませんが、子供がいる(居た)人の行動ではないかと思ってしまう。
いない人がこういった行動ができないといっているわけではなく、どうしても父性を感じたのです。

国へ帰りたい、帰ったら何をする?と辛い日常の中でも夢や希望を語る子供達から次々と死んでいって(この映画に関してはフラグすぎて、、)さらに絶望のラストかと思ったけど、軍曹の選択に心打たれました。
にょこ

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