ヒトラーの忘れものの作品情報・感想・評価

ヒトラーの忘れもの2015年製作の映画)

Land of Mine/Under Sandet

上映日:2016年12月17日

製作国:

上映時間:101分

4.0

あらすじ

終戦直後、デンマークの海岸沿いに埋められた無数の地雷の撤去作業に、敗残ドイツ軍の少年兵が動員される。憎きナチ兵ではあるが、戦闘を知らない無垢な少年たちを前に、指揮官の心情は揺れる。憎しみの中、人間に良心は存在するか? 残酷なサスペンスの中で展開する感動のドラマ。

「ヒトラーの忘れもの」に投稿された感想・評価

見逃してはならない史実がストレートに描かれている。

1945年5月、ナチス・ドイツが降伏したことにより、ドイツのデンマーク支配は終わった。しかし、連合国の進攻を防ぐためにデンマークの海岸に埋められた200万個もの地雷(「ヒトラーの忘れもの」)撤去に捕虜のドイツ兵たちが駆り出された。その多くが10代の少年兵であり、最低限の爆弾処理訓練しか受けずに命がけの作業に当たった。
指揮を執るデンマーク軍曹ラスムスン(ローラン・モラー)は残忍な侵略をしたドイツ人たちへの憎悪から、少年兵たちにろくな食事も与えず作業を行わせた。地雷の暴発や撤去失敗により、一人、また一人と命を落としていく少年兵たち。その姿を見るうちに、軍曹は良心の呵責に苛まれていく。

憎しみの連鎖。学校では習っていない史実が力強く描写されている。デンマーク軍がドイツの少年兵に地雷撤去を強制するのは明らかに行き過ぎた「報復」なのだが、そこに軍の葛藤すら見えないところが恐ろしい。
ドイツ憎しというのは分かるが、少年兵にも一切の妥協をしないという残忍さ。 養老孟司氏の『バカの壁』を引き合いに出すまでもなく、「ドイツ兵」という立場しか見ない上官は、まともな議論すらできない石頭。0に何をかけても0。
一方で、少年兵たちと奇妙な絆を築き出す軍曹は、立場ではなく、ひとりの人間として少年たちと向き合っている。立場による対立が人を思考停止に陥れ、残忍な行為も辞さないようになることの恐ろしさ。
Member

Memberの感想・評価

4.2
WOWOW 録画。デンマークでドイツ軍少年兵を使った地雷除去のお話し。終わりの方の爆発シーンでは思わず声が出てしまった。音楽は常に物悲しく映像の美しさにとても合っている。
草もち

草もちの感想・評価

4.0
この手の映画は寝るだろうと思って敢えて夜中1時過ぎに寝るつもりで鑑賞。でも寝る事なく最後まで観ちゃいました。理由は地雷がいつ爆発するかわからないと言う緊張感がエンドロールが流れるまであったから。

途中和気あいあいのヒューマンドラマになると思いきや、犬の件で締めたのは良かった。

ラストは感動を盛り上げる余計な演出はない、抱き合ったり、感動の言葉を掛けたりしない、そんなことしたら興醒めだった、ただ少年が振り返るのみ、それで良かった。

時間も101分と丁度良い。
りこ

りこの感想・評価

4.4
もうどう考えたらいいかわからない…
戦争での敵国に対する憎しみを、個人(しかも経験の浅い少年兵)にぶつけるのはおかしいと思うけど、そうなるのもおかしくないよね😅

第二次世界大戦直後のデンマークで、戦時中ナチスが埋めた地雷の撤去にあたったドイツの少年兵たちと、その指導をしたデンマークの鬼軍曹の話。

もう死亡フラグの続出で心が痛みます…
命がけの過酷な作業の中で、希望を抱いて故郷に帰ったあとの夢を語っているのがただただつらい💦
地雷の音にこっちまでビクビクです…!
軍曹がこわすぎるのはあえてなの?素で?でも必要なことが言えない環境はいやだなあ😨💦
あんな環境で精神的におかしくなっても不思議ではないですよね😭

舞台が明るい青空の下の砂浜で、すごく美しいので、過酷なストーリーとの対比がすごいです。
それから、メインが軍曹と少年兵たちとはっきりしているので、わかりやすくてハラハラしました…

それでも軍曹とふれあいのなかでちょっと心温まるシーンもあります。
ラストシーンがあっさりなのも個人的によかった!

このレビューはネタバレを含みます

みんなが帝一の國を見てる頃に一人で重たい映画を見ていました。
緊張が映画を見終わってなおも解けません。

悲しいのはラストシーンの浮かばれなさ。願いであった本国帰還が叶ったはずなのに喜べない少年兵たちから戦争の悲愴さが感じ取られました。

つらかった

このレビューはネタバレを含みます

相手を憎んでもその失った命は2度と生き返ってくる事はない。

自分の目の前で仲間が突然いなくなり、毎日が死と隣り合わせの現実。こんな残酷な事を子供にさせている事自体に言葉が出てこない。

兄を亡くした弟がとった行動に涙が止まらなかった。
Canape

Canapeの感想・評価

3.6
こんなにきれいな海なのに喜べない。戦争が終わっても解放されない。父と子のようにも見える少年兵と指揮官の通っては離れる心。誰もが犠牲者で追いつめられ見るのが辛かった。でも敵味方関係なく良心で行動した人によって世界が少し変わる。自分より彼らの未来を優先したのかと思うと泣けてくる。
Abu

Abuの感想・評価

3.8
大した戦いもしていない。むしろ不可侵条約を盾にドイツに協力していたデンマークでさえも これですよ。
勝てば官軍というのが戦争です。
ナチスドイツは先の大戦でホロコーストというは稀に見る重大犯罪を起こしました。これは事実です。
しかし所謂、戦争犯罪は各国で当たり前のように行われていたのです。
略奪と殺戮の限りを尽くした国でも、勝てば官軍なんです。
そして負ければ賊軍なんです。
Yamamo

Yamamoの感想・評価

3.7
大人の始めた戦争の後片付けを子ども達が命を懸けて行わなくてはいけない辛さ。
ドンパチする銃撃戦はないが、終始地雷の撤去作業で緊張感は続く。
やはり戦争映画は精神状態が良い時に観ないとしんどい。
綺麗な青い海と空が逆に切なく感じた。
白

白の感想・評価

4.5
”罪の転嫁”と”赦し”をテーマにしている。
擦り付けられた責任に未熟な心と体は悲鳴を上げるが、兵士とされることで彼らは社会的負の側面に組み込まれざるを得ずその声は掻き消される。こうしてこの映画は戦争の犠牲のヴァリエーションを描く。
身動きの取れない組織的規律は理性で押し殺すべき人情における葛藤を生む。その描出は大胆にも思えてしまうが、結果として地雷の一貫した緊張感とドラマの起伏にはなくてはならない。
エルンストと少女が印象的だった。ダメだと言われながら危険の渦中に足を踏み入れてしまう厄介さ·無力さにそれでも手を差し伸ばしてあげるこの瞬間は、倫理が横断し構造が複雑化した現代社会における境界の消失を意味し、希望に満ちている。しかしその後少年自らによる選択はそのような生の尊重や人間性の損失を示唆し、展開の衝撃以上に嘆き深い余韻を遺す。
無垢や未来の象徴として子供を登場させることでテーマが与えるメッセージ性は強化され今尚我々が持つべき人間性を呈示する。そしてそれは移民問題に揺れる現代欧州への提案でもあるのだろう。
許すことと許されないことの決断は映画の外で、今も我々に試されている。しかしこの決断を下すのはシステムではない。何時だって人間なのだ。
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