くじら

ヒトラーの忘れもののくじらのネタバレレビュー・内容・結末

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 デンマークの砂浜に埋められた地雷を撤去することを強いられた少年兵と軍曹の話。次第に情が湧いてくるところや楽しい休日と地雷が爆発してしまうシーンの差と、その残酷さに胸が痛む。

あらすじ
 軍曹がドイツへ帰還するドイツ兵(国旗🇩🇰を持ってた)にここは我々の土地だ!と暴行するところから始まる。
 地雷除去を教えられる少年兵たち。地雷について知っているのはわずかでほぼ素人たち。セバスチャンたち十余名が砂浜へ送られる。食料もない中働かされ、家畜の餌を食べて体調を崩すことも。
 最初の死者はセバスチャンとよく話していた少年兵。撤去作業中に吐いてしまい、両手が吹き飛んでしまう。その後病院で死亡する。軍曹はその死を少年兵らには隠し、彼らのために食料を調達する。
 次の死者は双子の兄。セバスチャンが地雷が重なって配置されていることに気づき、周囲に伝えるも声が届かず身体が消し飛んでしまう。兄を探す弟を止め、寝かしつける軍曹。
 次の死者は軍曹の犬。休日にサッカーをしていたら、地雷除去したはずの場所で消しとんだ。
 その次の死者は双子の弟。農家の女の子が地雷が撤去されていない場所に入ってしまったためセバスチャンは救出に向かう。そこで双子の弟は女の子をあやし、セバスチャンに女の子を渡して兄の後を追い消し飛ぶ。セバスチャンはあまりの出来事に悲しむセバスチャンにお前は強い、終われば帰れると励ます軍曹。
 その次の死者はセバスチャンを含む4人以外の全員。14人中4人しか生き残れなかった。軍曹は4人をドイツに帰す。しかし4人は連れ戻されていた。最後は4人をドイツに帰す軍曹のシーンで終わる。

感想
 セバスチャンや少年兵らと軍曹の仲が深まる描写がよかった。最初はドイツ兵に敵意剥き出しだったのに、ご飯がないことも地雷を効率的に見つける方法も無視していたのが、少年兵が母親を呼びながら亡くなったことで、ただの少年兵だったと気付き軍曹が変わった。デンマーク兵に少年兵がいじめられた時も助けて、セバスチャンの持つ十字架でふざけたり、双子の兄が亡くなった弟の話を聞いてあげて慰めたりなど。犬が死んでからまた厳しくなったけど、生き残った少年兵らをドイツへ帰すところ、彼らを別の砂浜にやったことを責めたり、子どもらを見守ってた情が見えて辛かった。
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