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OLの愛汁 ラブジュースの堊のレビュー・感想・評価

OLの愛汁 ラブジュース(1999年製作の映画)
4.2
街中で流れる轟音pillows、山田花子、「今一番なりたいのはVJかな?」。99年という時代の刻印の洪水ぶりに目眩がした。岩井俊二がポルノ撮ったら?というより新海誠が新東宝で撮っていたら?を思わせるような朝焼けの駅のショットの数々。「まごころを君に」の実写パートっぽいなーと見ていたら林由美香が出てきたのでビビった。仕事場の不穏なノイズはlainっぽい。主演がすこしコムアイに似てる。ロマンポルノの取ってつけたようなカラミのシーンが本当にイヤだったけれどこれはすべて妙なリアリティがある。部屋に置かれた雑誌の山とぬいぐるみひとつにしても本当に誰かの家のよう。キスする前に交わすことば、明日には消える歯型、朝日が白昼夢色に染める。「世紀末、世紀末、世紀末」。
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