昼行灯

歌ふ狸御殿の昼行灯のレビュー・感想・評価

歌ふ狸御殿(1942年製作の映画)
3.6
鈴木清順『オペレッタ狸御殿』のオマージュ源ということで鑑賞~

ぶんぶく茶釜やカチカチ山など狸の昔話はもちろん、大筋はシンデレラ、それに泉の精や河童、真実を映す鏡など色々なおとぎ話要素が加味されているキメラストーリー。高山広子の目がデカすぎて少女漫画かと思った…

ポンという狸太鼓の音とか、化ける時の効果音、階段下る時のドレミファソラシドの音階など、歌以外でも聴覚的に賑やかだった。
御殿のセットもセットだと丸わかりなんだけど華やかで、これがカラーだったらどんなに楽しくなるんだろうと思った。(だから清順がオマージュしたがっていたのか、、) 元々キッチュなものが好きなのもあるけど、セットのチープさは、狸によるものだからっていうのを考えてもよかったなー

だいたい化ける時はフィルムの編集で化ける前と後を繋いでたけど、宮城千賀子が花嫁衣裳から普段の服に戻る時に一度だけ長回しでなめらかに変わっていたショットが印象に残っている。宮城千賀子の目の前に木を置くことで、CGを使わなくてもなめらかな変身を可能にしたのね

あと男役が女性で宝塚みたいと思ってたけど、戦時中だからなのか、、
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