ぞん

のぞきめのぞんのネタバレレビュー・内容・結末

のぞきめ(2016年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

三津田信三さんの小説が好きで映画化と聞きキャストを知った瞬間に、本当にガッカリした。
三津田さんの小説をこんな形で映像化して欲しくないと怒りを抱えながら、映画館はスルー。

ただ、先入観だけで決めつけるのはよくないかと思い観賞。
結果は思った通り。

原作との差異はもうありすぎだし、要素だけ切り取られた別物なので、あえて書きません。本当に別の監督とキャストで作り直して欲しい。
腹が立ってしょうがない。

原作は置いておいて、全体的に間の取り方が悪いと感じた。
隙間から覗く目が出てくる、人が車に轢かれる、目を潰すなどのタイミングがアッサリしすぎてる。

血ではなく泥がアイテムとして登場するがそれもイマイチ主張してこない。
ダムに沈んだ、少女が殺され埋められた=泥というリンク性を想像させるような場面が少ないので、なんで泥なのかというモヤモヤがあって怖くない。

のぞきめの目的も曖昧。
母親のかわりが欲しかったのか、ただ恨みなのか。

そして最後。主人公がのぞきめを差し置いて幽霊になって生き残った恋人に結婚指輪をいつくれるの?と聞く。

いい加減にして欲しい。
この物語の主役は、のぞきめであってただのぞきめに殺された主人公が、今まで伝承に残るくらいに呪ってきた悪霊から抜け出してオチを取るなんて論外。
そんな力があるなら、殺されずに勝てただろう。

のぞきめは一体どこにいったというのか。

のぞきめが代々自分の代わりを見つけて引き継いでいく悪霊なら分かるが、そうじゃないなら陳腐すぎる結末。

恋人は精神を病んだ上に、目を潰すというかなり大変な事なのに一年後には本を発売してるのも現実的じゃないと思う。
恋人との別れを感動的にしたいのなら、結婚の下りもサラッと流しすぎだし、危険な場所に何の疑問もなくいくのも不自然。
やめないか?、くらいの葛藤をいれないと共感もできない。
ましてや、のぞきめの最初の被害者は主人公たちと最初は面識もないのだから。

おかしなことや、納得できないことだらけでキリがない。

原作好き的にも最悪、それを抜きにしても良いとは決していえない。
ぞん

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