藤田武彦

セトウツミの藤田武彦のレビュー・感想・評価

セトウツミ(2016年製作の映画)
3.5
川辺でだべっているだけだが、不思議と成り立っている。
何も起きない展開で、ドラマを成立させるために必要な大きなリアクション。
それも、菅田将暉が演じると、そこに瀬戸君が居るかのように自然に映る。
ただの言葉遊びに陥りがちなところ、血が通ったものになる。

「うわ~っ!」の一声で、観客の意識を持っていく力。


会話は諧謔に富んでいる。
花火のシーンもその一つ。
導火線 = どうかせん ≂ どげんかせんといかん (=そのまんま東)、などと連想が飛ぶ。
観客の自由な連想を許容する、遊びがある。

「好きだよ」メールの送信をためらうところも、味がある。
見ている外野は押せ、押せ、と言いたくなるところ、「サムい。。。」と寝転がる。
自然な心の動きが一番、というメッセージが伝わってくる。
藤田武彦

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