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ベイビー・ドライバーのtakのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.5
音楽と映像が一体化する快感はいろんな映画で味わってきたけど、CMでもないのにカーアクションが音楽と同期するなんて!さらに全編音楽が流れっぱなしで、銃声さえもビートを刻んでくる。
犯罪映画なんだけど、そこに胸キュンな青春映画の要素が入り込んでもうドキドキがとまらない。最初の数分間で完全にハートをつかまれた♡

主人公ベイビーは交通事故の後遺症で耳鳴りが止まらない。しかし、ひとたびヘッドフォンをしてお気に入りのプレイリストを流せば、天才的なドライバーに変身する、犯罪組織の"逃し屋"。

ダイナーで出会ったデボラとの恋。二人の出会いの会話の音楽ネタがなんとも素敵。自分の名前の曲は1曲しかない、と残念がるデボラに「2曲ある」と言うベイビー。詳しそうなのにT-rexを実はよく知らない。二人がヘッドフォンを共有する絶妙な距離感は、恋する二人の距離が縮まる瞬間。恋の行方と犯罪サスペンスが見事な共存。

全編に流れるセンスのいい選曲と、引用される小ネタの数々にワクワクせずにいられない。「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズと「オースティン・パワーズ」のマイク・マイヤーズのギャグやら、「モンスターズ・インク」の引用に思わずニヤリとしてしまう。純粋にハラハラを楽しむもよし。音楽や映画に詳しい人には、また違ったツボが用意されてる。

クィーンの Brighten Rock が流れるクライマックス、たまりません。お気に入りの曲(killer tune)としてベイビーが名を挙げた Brighten Rockが、クライマックスでは文字通りの"殺し屋の曲"になるなんて、実に見事。
エンドクレジットでサイモン&ガーファンクルが流れた時に、なんで映画のタイトル聞いてこの曲を思い浮かべなかったのだろうと、悔しいやら嬉しいやら。
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