すごい。凄すぎる。
バービーちゃんの話とのことで、一体何が始まるんや…と思ったら痛烈な社会風刺ではないか。ポスターパッと見はピンクでファッショナブルなイロモノ系かと思ったが、まぁ真逆。
バービーランドでは普通なのに、現実世界に来た途端、キャットコールなど性的消費の目を向けられるところが一番きたかな。痛烈だったけどほんまそうだよなぁと思い、心がチクチク。まさに最近のDJSODAちゃんにも通ずる話であり、最初からこれを描かずにバービーランドからの現実世界って落差と、えっおかしくない？と純粋に戸惑うバービーちゃんの描写、本当にすごいと思った。
全般的に「よく言ってくれた！」と思う部分もあり、すこしやりすぎかなと食傷気味になる部分もあり、でも徹底的に描いていて、まぁ要するにバービーランドは男女の現代社会とほぼ真逆なんだけど、バービーランドの女子讃美もそれはそれで、極端な世界であったことを最後には認める流れになりホッとしました。まぁこれ観て腹立たしくなる人の気持ちもわからなくもない。だってこの映画に出てくるイタいキャラ、心当たりある人多いだろうからね…
とにかくマーゴットロビーちゃんがめちゃくち良かった。マーゴットロビーちゃんは派手な顔立ちの美人の系統に感じるので、何かとアイコン的な使われ方が多かった気もします。彼女の出演作全部観てたわけじゃないけどすこしグッタリする感じでしたが、本作では人形なんだけど逆にとても人間らしくて、笑顔や戸惑い、涙や慈しみなど、喜怒哀楽が率直で、初めての感情に戸惑うバービーちゃんが本当に本当に良かった。彼女のキャリアにこの作品が刻まれて嬉しく思います。
脚本も演出も色々と斬新で、一歩間違えれば大滑りの駄作認定されそうなくらいリスクを取った作品だと思ったけど、見事にまとめてきました。好きとか面白かったより、すごいって気持ち。
