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バービーの大大のレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.5
女尊男卑で輝かしい毎日を送る主人公バービーは、心身の不調の原因である持ち主に会うため、見下していた彼氏のケンと人間界へ行く。



(以下ネタバレ気味)



バービーというだけで偏見をぶちかます娘と、全くキラキラしていないバービーをデザインする親娘と出会ったバービーが元の世界に戻る。

ケンが現実世界で目の当たりにした男社会カラーに染まっていたバービーワールドを、再びウーマンパワーで元の世界を取り戻す。

しかし主人公は、性別やバービーというカテゴリに属した存在ではなく、自分自身として生きること希望を見出し、元の世界ではなく、人間界に転生することを選択する。




▼男女差別是正的なポリコレ的な作品かと思いきや、誰もが自分自身であることを誇っていいという超シンプルなテーマ

性別やレッテルで無自覚に誰かを見下すことや、無自覚に見下されることを受け入れていたところから、「個」へと解脱していくお話

ただ、そのメッセージはもちろん素晴らしいし、大共感だけれど、当たり前っちゃ当たり前で意外性は残念ながらない。。

個として生きることは素晴らしい。
じゃあ、どうやってそれを生きている中で、独特なやり方で体現しているかみたいなのが見える物語が好きかもしれない。

今作は、そこが見えそうになるところで終わってしまってるけど、バービーを主軸にして、変化の過程をみせるところを物語に膨らませてるから、しょうがないのだけれど。。



▼めちゃくちゃわかりやすい三幕構成

移り変わる世界が、
①超女社会②超男社会③個の社会
とめちゃくちゃ明快。



▼主義主張が明確なのに、誰も傷つけてない

バービーのもたらした光と闇や、バービーイジリ、男女のあるあるネタで笑いもとりつつ、男女間の対立もがっつり描いてる。

それでいて、誰も傷つけることなく、説教臭さを感じさせないままに世界はこうあるべきというのをちゃんと描いてる軽やかさがすごい。



▼学校の道徳の授業を思い出した

「男らしさ女らしさとは何か」みたいなテーマの授業で、「男らしいと思うこと」「女らしいと思うこと」を書き出すみたいことやったなーと、ふと思い出す。
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